落語と扇子
こんにちは、京扇子の白竹堂です。
享保 3 年、1718 年から京都で扇子屋を営んでおります。
扇子と深い関わりのある伝統芸能に「落語」があります。
今週土曜日(10 月 7 日)には、「誓願寺策伝忌法要・奉納落語会 2023」が行われます。 今回は「落語と扇子」について、ご紹介したいと思います。
「誓願寺策伝忌法要・奉納落語会 2023」とは
誓願寺で毎年 10 月に行われるこの行事は、落語の祖・安楽庵策伝を偲ぶために開催されます。誓願寺には安楽庵策伝の墓があるため、その法要と、落語の奉納が行われます。 豊臣秀吉お抱えの噺家でもあった安楽庵策伝は、誓願寺の第55世法主。その時代に、安楽 庵策伝は庶⺠の間で流行した話を集めた笑話集を「醒睡笑(せいすいしょう)」として、まとめました。その中には、笑い話はもちろん、親しみやすく笑いを絡めた説法なども入っています。それが後に落語のネタ本となったことから、安楽庵策伝は「落語の祖」、誓願寺は「落語発祥の地」と言われています。
落語になくてはならない扇子
伝統芸能である落語に欠かせない小道具が、扇子です。箸やキセル、筆や釣り竿など、扇子 をさまざまなものに見立てて、噺家は演じます。落語で使うのは「高座扇子」。「高座」とは、 寄席の舞台のことを指すと同時に、仏教では僧侶が説教をするために座る場所のことを指します。「高座扇子」は普通の扇子より少し大きく、演目の邪魔にならないよう、無地が主流です。白竹堂では、多くの噺家さんの扇子をお作りしたこともあります。
高座扇子は、本店にてお買い求めいただけます。 無地の白扇、金の縁取りを施した分金(ぶきん)の 2 種をご用意しております。扇子への名 入れも承っておりますので、ご希望がございましたらお申し付けください。