白竹堂PRESS

2022年07月31日

祇園祭・後祭の宵山と196年ぶりに復活した鷹山のお話

こんにちは、京扇子の白竹堂です。享保3年、1718年から京都で扇子屋を営んでおります。

7月の京都は祇園祭一色でした。

祇園祭は長い歴史を持つお祭りなのですが、とくにここ10年ほどはいろいろと変化しています。その中でも大きな変化を挙げるとすると、2014年の後祭の復活と、2022年の鷹山の復活でしょう。

祇園祭の山鉾巡行には、前祭と後祭の2つがあります。この2つは本来別のものなのですが、交通規制効率化を理由に1966年に同日巡行となりました。

しかし、前回もお話ししたように山鉾巡行には神輿渡御の先払いという意味が込められています。そうである以上、同日巡行は本来の役割を果たせません。そこで、関係者の方々が動いて2014年に本来の別日巡行に戻した、というのが経緯です。

後祭の宵山は、のんびりした雰囲気が魅力

後祭で巡行する山鉾の数は11基。前祭で巡行する山鉾は23基なので、約半分の数です。山鉾が建つ場所も、四条通や烏丸通などの大通りではなく、新町通や室町通を中心にした、少し細い道です。

また、後祭の宵山では、前祭のように四条通や烏丸通を歩行者天国にすることはありません。露店も出ません。人出も、前祭の宵山が約30万人だったのに対し、後祭の宵山は約4万人(2022年・京都新聞の記事より)とかなり少なめです。

そのためでしょうか、後祭の宵山にはとてものんびりした雰囲気が漂います。

のんびりマイペースで歩け、ひとつひとつの山鉾やその懸装品、町家に展示されている屏風などじっくり見学できます。お囃子や、厄除けちまきを売る子供たちのわらべ歌にじっくり耳を傾けることもできます。露店はありませんが、地元のお店がテイクアウトの飲み物や食べ物を販売しているので、食べ歩きだってできます。

活気にあふれる前祭の宵山もいいですが、後祭の宵山では祇園祭らしい風情をたっぷり楽しめる。そんな特徴があります。

2022年後祭、最大の話題は「鷹山」復活

2022年の後祭における最大の話題は「鷹山」の復活でしょう。

鷹山は、応仁の乱(1467年)以前からあったといわれるとても古い山鉾です。山鉾の巡行順はくじ引きで決まるのですが、くじを引かず毎年同じ順番で巡行する「くじ取らず」でもあります。

そんな由緒ある鷹山ですが、文政9(1826)年に大風雨、元治元(1864)年には火事に遭ってしまいます。そして巡行には参加せず(「休み山」)、宵山にご神体を飾る「居祭(いまつり)」を行うことで祇園祭に参加するようになったのです。

196年も休み山だった鷹山が復活する。京都の人は100年くらいなら「比較的最近やな」と思いがちですが、さすがに196年と聞くと「そりゃ久しぶりやなあ」という感覚になります。復活した鷹山の周囲は、観光客はもちろん地元京都の人たちも多く集まり、その姿を目やスマートフォンに残そうとしていました。

近づくと、マスク越しでもわかる白木の香りがふわりとして、清々しい気持ちがします。鉾山の上で奏でられているお囃子が一段落すると、周囲から自然と温かい拍手が起こりました。

さて、明日から8月。「油照り(あぶらでり)」と呼ばれる京都の暑さもピークを迎えます。どうぞみなさま、暑さと感染症に気をつけて夏をお楽しみください。