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その他 2023年04月15日

1300年以上続く京都・洛西の神社では山吹が満開です

京都・松尾大社の山吹

こんにちは、京扇子の白竹堂です。享保3年、1718年から京都で扇子屋を営んでおります。4月も半ばになると、京都では山吹の花が咲き始めます。山吹の花といえば有名なのが、嵐山にほど近い「松尾大社」。松尾大社は奈良時代以前から人々の崇敬を集めていた神社です。その境内に鮮やかに咲き誇る花の様子を今回はご紹介します。

山の神、海の神、酒造りの神、総氏神……多くの顔を持つ松尾大社

松尾大社は、嵐山から阪急電車に乗ってわずか1駅、2分程度の距離にある神社です。歴史は古く、飛鳥時代に嵐山付近にいた豪族・秦氏が創建したと伝わります。

なお、信仰の歴史はさらに深く、神社の創建以前からその裏山にあたる松尾山の磐座(いわくら)が、山や地域の守護神として崇敬を集めていたのだそう。非常に長い時間、祈りの対象となっていた場所です。

お祭りされているのは、大山咋神(おおやまくいのかみ)と市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)。大山咋神は山の神様、市杵島姫命は海の神様です。内陸の京都に海の神様がいらっしゃるのは少し不思議な気するかもしれません。これは、秦氏は海路を利用し交易をしていたからだそうです。

今は洛西の総氏神としてはもちろん、特に酒造りの神様として全国の酒屋さんなどから崇敬を集めています。なぜ山の神様と海の神様の神社が酒造りの神様になるの?と思われるかもしれませんが、これは、創建した秦氏がお酒造りも手がけていたから。つまり、松尾大社は磐座の自然信仰、大山咋神と市杵島姫命への信仰、そして創健した人たちへの信仰と、さまざまなものに対する信仰が息づいている神社なのです。

川の水面に山吹が映える

さて、そんな松尾大社の楼門を抜けると、すぐに小さな川「一の井川」が流れています。山吹が多く咲いているのは、一の井川沿い。花をよく見ると一重と八重が混在していて、周辺を文字通り山吹色に染め上げています。水面にも山吹色が映えてとても華やかな雰囲気です。

境内にはこのほか、相生の松やおもかる石などユニークな見所もたくさん。観光客よりは散歩に来た地元の方々や、中にはお宮参りの親子の姿もありました。嵐山からほんの数分の距離とは思えない、静かで落ち着いた雰囲気が漂っています。

個人的におすすめなのは、楼門向かって左にある休憩所。屋根やベンチがある東屋で、座ってのんびり山吹を見ながら休憩できます。私が訪れたときは、ご婦人グループが楽しそうにおしゃべりに興じていらっしゃいました。

また、楼門手前右手にあるお茶屋では、奥の窓から「蓬莱の庭」という庭を眺められます。「蓬莱の庭」は鶴が翼を広げた姿をした池を中心にしたシンプルな回遊式庭園。おそばやお団子をいただきながらお庭を眺めていると、ふっと心が和みます。

特に平日は穴場感があるので、静かに山吹を楽しみたい方はぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。なお、4月11日現在、山吹はほぼ満開でした。まだもう少し花が楽しめそうです。